今日はカメオと真珠の品物についての詳細をお届けします。
私は、花あかりというシリーズとかぎろいというシリーズと、しゅぎょくというシリーズを作っています。
花あかりは、文字通り、お花を通してのシリーズです。お花や植物を眺めたり世話をすることで自然と対話をし、元気をもらうことはありませんか?
私は何度か救われてきました。感謝を込めてのシリーズです。
花あかり──静かな祈りのあとに
カメオとパールが映す、光の記憶
制作の手を止めて、ふと机の上に射す光を見つめることがあります。
その光は一瞬で消えてしまうけれど、確かに心を照らしていく。
そんな「かすかな光」に宿る力を、ジュエリーという形で留めてみたい。
花あかりシリーズは、そんな思いから生まれました。
カメオは、手のひらの中に息づく小さな芸術。
ひと彫りひと彫りに呼吸のような間があり、
彫る人の心がそのまま映し出される世界です。
美術館で見る名品たちは、
人と自然が共鳴して生まれた“祈りの痕跡”のように感じます。
もしわたしが南イタリアに生まれていたなら、
きっとカメオ職人になっていたかもしれません。
貝の層の奥に眠る光をすくい上げながら、
誰かの胸元で静かに息づく花を彫っていたでしょう。
このたび、花をテーマにしたカメオでネックレスを仕立てました。
細かな淡水パールの連なりに金の花を添えて、
静かな時間の流れを感じさせるように組みました。
誰もいない教会のように、
心の中でそっと祈る時間があります。
カメオを通して見えるのは、
“祈りのあとに生まれる光”なのかもしれません。
花あかりのように、
消えそうな光をすくいとって。
カメオの中の花々が、
そっと時を照らしています。
わたしにとってジュエリーを作ることは、
祈りのあとに咲く小さな花を見つけることに似ています。


