こんにちは、ベロニックジュエルズのデザイナー、Keikoです。
日常生活を快適にする、ジュエリーのデザインや宝石のこと、コーディネート、歴史なども発信しています。
今日は上質なカメオをお母様から受け継いだ方のお話から・・・
受け継ぐジュエリー「ビジュー・ド・ファミーユ」
*カメオと天然石のネックレス
昭和の一時代にカメオはご婦人に人気のジュエリーでした。
今の上皇后様のご結婚の頃に、白い服、長い手袋やヘアーバンドなどがミッチースタイルとして大流行した中にカメオのブローチも着用されていたとか、ファッションに敏感な当時の女性たちにはカメオは素敵なジュエリーに感じられたことと思います。
今も、もちろん素敵なジュエリーで私も大好きですが、単独で着けるにはクラシック&コンサバの雰囲気が令和の時代には「かしこまり感」が強いかなと思ったりします。
これまで、いくつかカメオのビジュー・ド・ファミーユを承りまして、今回もストーンカメオを「お客様用オリジナル」として承ることとなりました。
そもそも・・・の話
ストーンカメオはシェルカメオと異なってドイツで生まれで、今も90%近くをドイツで生産しています。
縞メノウという層のあるメノウに彫刻されます。原石はブラジル産です。
縞目の持つ石はとても希少とのこと。縞を利用して色味のグラデーションを出すのですね。
(カメオ用にカットされた縞メノウ)
メノウは硬いです。硬度7のカメオを彫るには、硬度9のサファイアを細かく砕きその砥石で細かく彫刻していたという15世紀ごろでは、さぞかし大変な作業だったと思います。
現代では機械でも彫りますが、やはり手彫りで細かく滑らかに彫り上げることは変わっていません。
硬くいかつい鉱物を柔らかに透き通るように彫刻するそのクールさに惚れます。
手のひらに収まる芸術品ですね。
色は、お客さまのカメオのような青白、他には黒白、赤白、黄白などがあります。
カメオの色は着色、でも、なんと着色も2000年前からの伝統的な技法が使われているそうです。
着色は時間をかけて温度調整しながら行うそうで気が遠くなります。
メノウの特性を活かした着色方法を編み出した中世の人々の美への探究心に驚くばかりです。
ネックレスとのコラボレーション
そうしたカメオはやはりコラボの相手も上質感が良いです。
お持ちいただいたネックレスのビーズと合わせるとお客様の雰囲気にとても映えそうに思いました。
オペラコンサートやバレエ、美術館などでお客様が着用したそのお姿が見えるようです。
それにしても、こちらのカメオもとても綺麗です。(下方の画像)
女性と小鳥の絵柄は細部まで細かく表情も初々しいやはりカメオは素敵です。
天然石のビーズは、奥がネフライトで手前がカイヤナイトではないかと思います。
この2色にパールと翡翠とアベンチュリンを加えてネックレス部分を作ります。
肝心なカメオですが、フレームの色をK18ゴールドから、K18ホワイトホールドにメッキをかけることにしました。
グリーン系の色味に合わせて。
デザインの特徴
お客様に楽しんでいただけるための3通りの方法
①フサからカメオ自体を外すことができ、他のネックレスにも使えます。
②マンテルという留め具とブドウのような房が正面でアクセントになっていて
留め具を後ろにして、マンテルにカメオをつけることもできます。
③カメオをフサごと外して、1本のネックレスとして使えます。
グリーン系の天然石は色が微妙に違い、ネックレスも微妙な色の変化があります。
そこにブルーの大きめの天然石やバロックパールが入ることで単調にならず、お衣装にも変化が生まれるように思います。
長さは53センチ。Vネックのセーター等の胸元に映えるのではないでしょうか。
いろんなシーンでお使いいただけたらこんなに嬉しいことはありません。
ジュエリーに関して、何かお困りのことがおありでしたらご相談ください。
ご相談だけでも何かの参考になれたら、と思っています。ネックレスが切れたり、古いビーズのネックレスがあって何かにしたい、片方のピアス、イヤリングなどいろいろなご相談を承っております。
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